pianissimo.

「ごめん」

申し訳なさそうに呟いて起き上がろうとするけれど、「っつ……」と呻き声を漏らして顔を歪めた。


どこかが痛むのかな。というかこれだけの傷を負っていたら、どこもかしこも痛むだろう。



「手伝おうか?」

身体中が痛もうが力尽きてヨレヨレだろうが、一刻も早くどいて貰わないと困る。


右手をライガに向かって差し出せば、「わりぃ」と弱々しく口にして素直に私の手を取った。



「せぇのっ」

掛け声をかけてから、グイと思い切り引っ張り上げた。だって少しは協力して貰わないと。私一人の力だけじゃ無理だもの。