pianissimo.

ライガがどんな顔をしているのかすごく気になったけど、怖くてとても見られなかった。


ほとんど口を付けていないアイスレモンティーのグラスへ、姫花ちゃんから逃げるように視線を落として「うん」とだけ頷いた。



「それ、俺に言えば?」


不意にライガが口を開く。けれど私は、視線をグラスに注いだまま。氷が随分融けて、上の方は色を失くしていた。

手に取ってストローでクルクル掻き混ぜる。そうして、飲みたくもないのに一口すすった。



「だってー、男って浮気する生き物だしー。トモくんが私の言うこと聞くなんて思えないしー、だから言ったって無駄だしー」


また、子どもっぽい姫花ちゃんに戻っている。ねだるような甘ったるい声。


駄目だ。苦手。無理、本当に無理。帰りたい……。