昼休み、花壇の水遣りのために中庭へやって来た私はまた、5、6人の男子に乱暴されるライガを目撃してしまった。


ここではやめて欲しい、と心底思った。

職員室からも遠いし、木に囲まれたそこは死角になっていて、確かに絶好の私刑スポットだと思うけど、どうか他でやってくださいと切に願う。



全身の至る場所を激しく殴打され、ボロ雑巾みたいになったライガが横たわっていたのは、私の大切な花壇の上だ。まだまだパンジーはこれからも咲いてくれるのに、何てことをしてくれるんだ。


不良たちが去るのを待って、ゆっくりとライガに歩み寄る。そうしてその傍らに立って彼を見下ろした。


酷い顔。赤く腫れあがって血だらけで、原形なんかもうわからない。確か、不細工な方ではなかったはず。