「ライガがすごく近くに感じて、嬉しい。痛いけど、嬉しい」

頑張って伝えたら、「ん」とだけ頷いて、ライガは私の横髪をそっと撫でるように梳かした。


途端、色んな感情が一気に迫り上げて来て、右目の端から耳へと、生温かい滴が一つ、つぅーと伝う。



ライガは何も言わず、ぎゅうっと抱き締めてくれた。それだけでもう、私は――

充分だと思った。


これ以上は何も望んじゃいけない……と。



ライガの首にしがみ付いて、溢れ出して止まらない愛しさに耐える。けれど――

「幸せ……幸せ過ぎて、怖い」

なんて。弱音にも聞こえるような言葉がこぼれ落ちた。