pianissimo.

と、男子数人の話声が遠くに聞こえた。それは段々とこちらに近付いて来る。



「ライガ、誰か来た」

声を顰めて訴えたけど、「うん」とだけ答え、ライガはちっとも私から離れようとしない。


「放して、ライガ。誤解されちゃう」

ガッツリ抱き合っておいて、キスもしておいて、誤解されるもクソもないのだけど。それでも私はライガの彼女じゃないし、ライガには学校中が公認の彼女がいる。



ようやく私を解放したライガが泣きそうな顔をしていて。私に拒否されたと思ったんだと気付く。

そうじゃないのに。ライガと彼女の関係に、私のせいでヒビでも入ったら困るから……。




「なんだよ、こっちはこっちでお楽しみかよ」

侮蔑を込めて吐き捨てられた言葉に、私とライガは同時にそちらへ視線をやった。