pianissimo.

おずおずとライガを振り返れば、私の肩越しにちっちゃな二人を見ていたライガの顔が、恐ろしいほど至近距離にあった。


バチッと視線がぶつかって、咄嗟に顔を戻して俯いた。焦燥しきった私の視線は、ゆらりゆらりと当てもなく花たちの上を彷徨った。



「もう、しねぇよ?」

ライガがポツンと耳元で呟く。「何を?」と俯いたまま聞き返せば、「キス」と。何でもないことのように答える。


何を言い出すのだ、ライガ。私が顔を逸らしたのはそんな理由じゃないってばっ。


でも……もうしないのか……。

がっかりしている自分、退散したまえ、と切に願った。



「『えー、もうしないのー?』って思った」

いつものごとく疑問形ではなく断定。そしていつものごとく、正にその通りなんですけども。