そうして体育館シューズのまま、運動場へ元気よく飛び出した。走るライガの後姿は、まるで鬼ごっこか何かをしている子どものように愉しげに見えた。




いつの間にか雨は止んでいて、陽光がライガと運動場を照らす。そよ風のようにふわふわと流れるライガの黒髪が――


紫色に輝いているように見えた。




桜、頑張れたかな……。

ふっとそんなことを思い、無意識に小さな笑いがこぼれた。