pianissimo.

「え? って……はぁ? 何それ、曖昧にもほどがあるだろ」

ライガはそう言って、本当に可笑しそうにクツクツ笑った。


そんなライガを、不思議な気持ちで見ていた。



お金なんか使って貰わなくたって、こうしてライガが傍に居るだけで、嬉しくて楽しくて。他愛のない話をするだけで、心躍って胸が騒いで。ライガの言動一つ一つに、いちいち胸に、きゅうーっと優しい痛みが走って。


ライガの彼女ってこと自体が、この上なく幸せなことなのにな……。


そんなことをぼんやり想った。



「彼女、名前何て言うの?」

「なんでそんなこと……。ま、いっか。『ヒメカ』」

「どういう字書くの?」

「ヒメにハナ――って、何コレ? 事情聴取?」