ライガの動きには一切無駄がなく、見惚れるほどにスマートだ。そんな彼に、羨望のような憧れのような気持ちを抱いたのは、きっと私だけじゃなかったはず。


この世の全ては彼の思い通り、思うがまま。自由自在に飛び回る彼を見ていたら、そう思わずにいられない。



追っ手たちは全員、狐につままれたような顔をして立ち尽くしていた。そんな彼らを見上げてライガは、

「悪いけど、入学式早々、問題起こす訳にいかねんだなー。また今度な!」

友達にでも語りかけているように屈託なく笑って、軽く肘を折った右腕を上げた。もう十分過ぎるほど問題を起こしているというのに。