「ラッシー、どこ行ってたの?」

「んっと……屋上?」


郁香に不意に尋ねられ、何故だか疑問形で答えてしまう。



教室へ戻った時には、既に5時限目は終了していた。休み時間も残り3分。


ライガも――

教室へ戻ったかな……。



「携帯かけてもラッシーの机の上で鳴るしー」と不服そうに言う郁香に、「うーん」なんて適当に返して、へへっと苦笑い。


ちょっとだけ気まずさを感じ、お昼休みに買った緑茶のペットボトルの残りを、無理くり口の中に流し込んだ。



何があったのか、簡単に掻い摘んで説明すると、

「何でさっさと電話しなかったの?」

と不思議そうに問われ、予想通りなのに焦る。