pianissimo.

「大丈夫じゃない。放して」

「無理」

「無理じゃないでしょ? ちょっとこの腕の力緩めるだけじゃん、ほら簡単」

言いながらライガの両腕を掴んで解こうとしたら、腰を抱く腕に一層力を込め、グイと更に引き寄せられた。


見上げればライガは深刻な面持ちで私を見詰めている。交わる視線がじりじりと熱くて痛くて……。我慢できずに俯いた。



「ほんとに複雑、難しい……。攻略本とか欲しい」

溜息混じりに私の頭に落とされた声。意味がわからなくて「何が?」と問えば、

「先輩の『乙女心』」

と即答。思わず勢いよく顔を上げて、もう一度ライガを見た。