pianissimo.

ライガは全く躊躇することなく立ち塞がった男たちに向かって疾走を続ける。速度は全く落ちない、それどころかむしろ加速したようにも見えた。



床を蹴る、跳ぶ、浮く……。



一番背の高い男の肩を踏み台にして、もっともっと高く宙に舞った。


そうして二階通路の格子状の柵に捕まって宙吊りになった。


男たちが必死でその足を捕ろうとするも、巧みにかわしながら、時々蹴りをさり気なく食らわせながら、ライガはブラン、ブランと身体を振り子みたいに大きく数回揺らして、柵の下部に足をヒョイと引っ掛けた。