陽向〜君に捧げる〜


Engageが創立してからずっとマスター独りでこの喫茶店を支えてきた

「…あっそ。でも、自分の夢が叶って良かったじゃん。その部分は俺のおかげだろ?」

「…まあ、そこは感謝してます」
そうだ。マスターは自分の店をもつことが夢だった。

理由として、自分の店で色んな人が幸せそうな表情を見たかったからだ。

でも、ある日思いも寄らない出来事があった。





今から三年前−

「いらっしゃいませ、今日はいかがなさいましょう?」

お客が毎日メニューに目を通した。

「…じゃあ、ショートケーキで」
「かしこまりました」

マスターはカウンターに移動し、手早くケーキを準備した。

「…どうぞ」

テーブルに注文された商品を静かに置く