【美華SIDE】
『………ね、あなたの名前、教え
てくれない?』
―――お祭りで。
輝流を見つけた。
輝流は、とってもかわいい子と
一緒にいたから、
輝流をからかうつもりで
声をかけたら…
………その子は、
“オトコノコ”だった。
ふへぇ〜……。
こんなにかわいいオトコノコが、
現実の世界にいたのね。
作り話の世界だけだと思ってた。
―――そんなことを考えながら、
あたしは名前を聞いた。
「白井 遥です」
―――だけどそんなこと、
名前を聞いた瞬間、
どこかに消えて、
なくなっちゃった。
はる…か………?