【潤SIDE】
―――琉美と別れてすぐ。
俺は、輝流に電話をかけた。
「あ〜輝流?俺。潤。悪ぃんだけ
どさ。頼まれてた見回り、今から
だ」
『……は?今から?今まで、何や
ってたんだよ』
―――輝流、
今の今まで寝てたな。
声が、完全に寝起きの声だ。
人に見回りさせといて、
自分は寝てんのかよ…。
まぁ…そういうとこが、
輝流らしいけど。
「琉美と、咲希ちゃんに会ったか
ら、一緒に祭り回ってた」
『咲希…?』
「海で会った、夏樹が自分の女だ
って言った子」
『あぁ。知ってる』
「浴衣、着てたよ」
『…………』
…………チッ。無反応かよ。
「咲希ちゃんがね」
『………そうか』
あ〜…でも意外と、
焦ってるか。
……声が。