―――案の定悠の話は、
特に重要な内容ってわけでも
なかった―…。
「遥っ!!早く行こう???」
「………えっ? あ、うん」
―――しばらく歩くと、
屋台が並ぶ道路が見えて来て、
人でごった返し始めた―…。
「初日なのに人多いね」
―――もうすでに、
人に呑まれ始めたあたしと琉美。
「琉美。はぐれんなよ?ここの祭
り、毎年タチの悪い連中も結構集
まってるからさ」
「うん。遥もね?」
「あたしは大丈夫だから」
………まじではぐれたら、
ヤバいよな…。
琉美、かわいいし…。
(遥もかわいいんだけど、
本人無自覚)