「……………」
これが…あたし?
―――鏡に映る姿を見て、
呆然とした。
「………どう? 遥」
「すごい…」
―――“すごい”
これしか出て来ないけど…。
…………あたしが、
あたしじゃないみたいで、
何か不思議な感覚…。
「遥〜……って、あれっ?琉美。
遥は?どこ行った?つか、お客さ
ん?」
…………あたしなら、
ここにいるんですけど。
「何? 悠」
「あ、遥か…。あのさ……って、
は、遥っ!?」
―――どうやら悠は、
あたしがわからなかったらしい。
……………まぁ…、
そう思う気持ちはわかるから、
何も言わなかった。