「陽希も龍聖も、ウザいくらい元
気で、今もまだ、待ってるぞ」

「待って…る……?」

「蘭華の帰りを信じて待ってる」

「…………………っっ……」

「聞かれたよ。陽希に。“行方を
知らないか?”って」

「それで…なんて答えたの!?」

まさか…教えたとか、
ふざけたこと抜かさないよね!?


「“会いたきゃ自分で探せ”って
言った」

「……………そっか」

「まぁ…それだけだから。会いに
行けとは言わねぇけど、とりあえ
ず無事かどうかくらいの連絡はし
てやれよな。死んだって噂も、他
の族の間じゃ立ってるってさ」

「……………」

「これ、陽希と龍聖の連絡先。一
応、渡しとく。どうするかは、自
分で決めればいい」

そう言って、圭ちゃんに
半ば無理矢理持たされた、
2人の連絡先が書いてある紙。




あたしは、
とりあえずそれを持ったまま、
何も言わずに理事長室を出て、
寮の自分の部屋に戻った―…。