「…………遥、行くのか?夏祭りに」
―――夏祭りの話を
聞いていたらしい悠が、
怪訝(ケゲン)そうに聞いてきた。
「………なんか、そういうことに
なった。……勝手に」
「……………大丈夫なのか?」
「ん〜………大丈夫じゃねぇ?わ
かんねぇけど。それに、男の姿で
行くし」
「…………気をつけろよ?」
「言われなくても、それくらいわ
かってるから。大丈夫」
「俺も、行くよ。友姫と2人でね」
…………いつのまにか、
リビングにいた楓が、
そう言った。
「とりあえず、何かあったら連絡
しろよ?」
「あぁ」
―――琉美はその話を、
ポカンとしながら聞いていた。
……………よかった。
意味は、わかっていなそうだ。
…………琉美には悪いけど、
琉美は
知らなくていいことだから。