「今日は帰る。頭が混乱してる。また明日、電話して下さい」
無表情で彼を見上げて、一気にまくし立てた。
私をじっと見て、掠れた声で、彼が言う。
「・・・帰さないと言ったら?」
私はじいっと彼を見詰めた。
「今日であなたと縁が切れる」
黙ったまま暫く目を合わせていて、彼が先に視線を外した。それからふう、と大きく息を吐き出して私に言った。
「・・・・判った。酒飲んだから、電車で送る」
その申し出を断れないことは知っていた。
今日は流石に神社前を通るのは止めた。
斎と対決したのがほんの昨日のことだとは思えない。・・・って言っても、もう日付変更線は越えそうだけど。
歩きながら、そういえば、と私は疑問を口にした。
「昨日、どうしてあの場所にいたんですか?驚いたけど、斎に対処するのに必死で聞くどころじゃなかった」



