「こんっ・・・な、とこ、ろ、で・・・桑た・・・」
私が呼吸するのに必死になっていると、ざらざらした低い声が耳元で責めた。
「―――――――ここで誘惑したのはそっちだろう」
彼は器用に私を押さえつけたままで下着を取り去る。大きな指が的確に私の弱いところだけを狙ってきて、我慢出来ずについ声を漏らしてしまう。
淡々とした声で彼が言った。
「・・・聞こえるぞ、外を通るやつに」
私が下唇をかみ締めて耐えていると、彼はその上から唇を押し付けてクククと笑った。
「俺は別に構わない。ほら、聞かせてやれよ」
近付いては遠ざかって行く靴音が余計に刺激になる。
膝が震えて立っていられなくて、手を伸ばして彼にしがみつく。いつのまにやらほとんど裸の状態で、声を出さないことだけに一生懸命になっていた。
「・・・ここ。それと・・ここもだな」
腰を抱え上げて突き動かされ、ポイントだけを何度も攻められる。世界は二人だけになり、羞恥心など吹き飛んでいた。自分が今どんな格好で、どこに何をされているかが判らなかった。
最初の時は、様子見だった。
次の時は、優しい、型どおりのやり方で。
そして今日のこれは、激しくて、淫らで、遠慮のない正直な欲望で溢れ返っていた。



