急に――――――――どうして―――――――斎の名前にあまりに激しい反応・・・。緊張して、こめかみ近くを汗が流れる。
「初めて君と飲んだとき、好きな男も彼氏もいないと言ったよな」
「え?」
展開についていけずに私は思わず聞き返す。
低くてザラザラした声で桑谷さんは続けた。
「・・・でも今は、俺が好きだと言った」
「桑谷、さん?」
彼はぐぐっと更に顔を近づけて目を細める。
「――――――――なら、もう遠慮はしない」
その言葉を吐くやいなや、激しく唇を奪われた。
背中にドアの熱を感じたままで、息継ぎも出来ないキスをしながら彼の手が体中を触る。
私の足を割って彼の右足が割り込み、シャツの下に滑り込んだ手が乱暴にブラを押し上げて胸を愛撫する。
その激しさに驚いた。
玄関先で、服を着たままで、ドアの外に通行人の足音を聞きながら、どんどん侵略してくる彼の指に私は簡単に翻弄される。
「・・・や・・・ちょっ・・」
切れ切れに言うも、話そうとすると口はすぐに塞がれてしまう。顔を背けるとすぐに手で戻される。そして彼が吸い付き、舌が口中を蹂躙する。



