**籠の中のお姫様**

私は彼を追いかけた。

「着いた」
職員室まで、何も喋らないなんて…
この人、いったい何者?
沈黙の長さに気を重くしていた私だったが、この人は何とも思ってないみたい。
というより、当たり前みたいな…

そして、職員室に着くなりスタスタと歩いていってしまった。

「あの!!」

とっさに呼び止めてしまい、彼はめんどくさそうにけちらを向いた。
「名前は…」
「……木賀湊」