9月1日金曜日。
一学期に引き続き、二学期朝も朝から最悪だった。
予定より30分も寝坊して、始業式中の体育館に駆け込んだ。
その瞬間、全校生徒が私の方をを振り返る。
思わず笑みが溢れる。

 苦 笑 い。

きっと、高校に入っても、遅刻癖は変わらないだろうって、そんなことを考えた。
だが、私はこう見えて、遅刻は習慣的なものの、欠席は一度もしたことがない健康体!
…ていうより、それが唯一のとりえ。
それと、よく言われるのは、名前が覚えやすいってこと。


戸田 結姫。

なぜか友達からも、めったに名前では呼ばれない。
男女問わず、いつも、「戸田ぁー!」って。


「戸田ぁ~!!」


ほら、ね?
私を呼んだのは、同じクラスの親友の、友部 舞奈。


「戸田ってばぁ!また遅刻かよ~ダサァ~」


『朝起きるの苦手なんだもん!』


「はいはぁい!式終わったし、教室か~えろ?」