「だからさぁ・・・絶対命令なんだって。」


彼、佐々木 蓮くんの
茶色に染めた髪の毛が、
微かに揺れ動いた。

絶対命令・・・?
え、ちょ、まってよ。


「え・・・っと。
私が、佐々木くんの・・・・・




彼女になるってこと?」


「そうだよ。」


たったの4文字。
でも、その4文字で、私の気持ちは
大きく揺れ動いた。


「ホントに?・・・え、夢?」


私のアホすぎる発言に
佐々木くんは苦笑しながら、


「うん。・・・あ、夢じゃないよ?」


こう言った。
佐々木くん、紛らわしいよ・・・。


「そっかーぁ・・・
佐々木くんが、私の彼氏になるんだー?」


「まぁそうなるね。
あ、優奈ちゃんって呼んでいい?」


あ、そっか。今日から彼女なんだよね。


「うん。」


あぁ、バカだな。私って。


「じゃあ俺のこと、蓮って呼んでねー?」


なんでこんなのに、
乗っかっちゃったんだろう?


「え、あ、うん。」


なんでOKしちゃったんだろう。


「そっか、うん、そっか。」


だって・・・私は、佐々木く・・・蓮に、
片思いしてたつもりだから。
つもり・・・なんだ。

だって、両思いの実感無いんだもん。


でも、好き。

なんか好き。


「ね、俺のこと、好き?」


「んー・・・ちょっと好き?」


「ぷ・・・そっかーぁ。」


私の答えに、吹き出す蓮。


ちょっと好きがランクアップするまで、
あとどれくらいかな。