大きい公園の割にはあまり人がいなかった

「この時間帯って人いねぇのかな?」

私がそういうと若菜は携帯の時計を見ながら
「だってもうすぐ夕方だし土曜日だからじゃないかな…」

二人でしばらく歩いていた

私はここで正也のアドバイスを実行する事にした

二人しか歩いていない道

まわりは林

林からは潮風というか風が吹いていた

まるで私を後押しするように

心臓が破裂しそうなくらい鼓動を打っていた
若菜に聞こえているんじゃないかと心配してしまう

背中には冷たいモノがでていた

まわりの木から吹き出る風からは

『早くやれよ!』

ずっとそんな風に聞こえていた気がした

『うるせぇバカ!チャンスはまだだろうが』
言い返したいくらいだった