夏休みも終わり秋に突入して肌寒くなり半袖では厳しい時期にきていた

私はというと学校とアルバイトと大忙しだった

みんなアルバイトが忙しくて最近遊んでいなかった

肝心の若菜とは夏休み中たまにしか会わなかった

電話はしょっちゅうしていたが会うのはあまりなかった

若菜は夏休み中、勉強の強化講習と自動車教習所で忙しかった

そんな若菜から電話があった

「あっ、ユキちゃん?明日空いてる?」

「俺、明日は連休で何もないよ。みんなバイトだし…」

「じゃあ明日、遊びに行くね!」

「わかったよ!」

若菜が自宅に来るのは久々だった

ただ若菜とはまだ何もしていなかった

付き合って半年近くにもなるのに何もしていなかった

私がただ臆病な為に出来ずにいた

子供でも手をつなげるのに私にはできなかった

恥ずかしさから殻がムケないでいた

たまらずこの手の事に詳しい正也に電話した
「もしもし、ユキだけど正也?あのさぁちょっとお願いがあるんだけど…」

「珍しいな、お前が頼み事なんて。どうしたんだ?」

「ちょっと言いづらいんだけど…」

「何?」

「女の子とどうやって手をつなぐの?」


私なりの勇気のふり絞り方だった