階段を登るとドアから大音量の音楽が漏れていた

重い扉を開けると一気に轟音が私達を包む

薄暗い店内はバーカウンターがあり腕にタトゥーがあるオシャレなお姉さんが酒を作っていた

店内には明らかに同年代らしき人はいなかった

来ている人達は私達よりも何個か上だと思うが少し離れているだけで大人に見えた

顔中ピアスの人、髪の毛が凄い事になっている人、タトゥーが入っている人たちがたくさんいた

高校生一年生の私達にとっては衝撃的だった
Sex Pistolsの映画「Rock'n Roll Swimdole」の光景が目の前に広がっていた

『凄いなぁ』

感想がそれしか出てこなかった

普段から大きい音で音楽を聞いているがここまでの大音量は初めてだった

大きなスピーカーに背中をつけるとジーンズにまで振動が伝わるぐらいだ

DJブースの前ではたくさんの人達がライブさながらに暴れていた

さらにあおるかの様にDJはゴキゲンなRockをかけ続ける

益山達と会話しようにも音の方がうるさいので全く会話が聞こえなかった

ジェスチャーで飲み物貰いに行こうと合図を出すと私と益山はカウンターへと人をかき分けながら進んだ

かなり大きな声で益山はカウンターのお姉さんに

「ハイネケンとコーラね」

お姉さんは軽くうなずくと手際よく差し出した