若菜は私の手を握るとこちらを向き

「焦っちゃダメ!」

余計に押さえきれないセリフであった

その日はお互いが疲れていたはずだがひとつになった

夏の海は恋人達を美しくも理性がきかないケモノへと変貌をさせる

その日の夜はお互い裸で雲一つない夜の海と星と月を眺めながら過ごしていた

自由になった気分である


次の日の朝、部屋の鍵をしめ店長のもとへ挨拶に行った

「短い間ですがありがとうございました」

そう言うと店長は

「いや、こちらこそありがとうね!今度は普通に遊び来なよ!」

「はい」

そう言うと益山にも

「じゃあ俺ら帰るよ!ライブでまた会おう」
「おう!じゃあ気をつけて帰れよ!」

「サンキュー!じゃあなあ!」

「またね!益山くん」
私と若菜は二人に挨拶をすると来た道を戻るように帰路へ

帰る道中二人の会話は海の家での会話でいっぱいであった

その日は私の家で若菜とゆっくり休みらしい休みを過ごし彼女は私の家に泊まっていった
夏休みはまだ始まったばかりであった