ニヤニヤしながら洋太は私に近付き耳元でこう言った

「秋月が緒方を誘ったんだよ!」

「マジで?!」

洋太はまだ秋月が緒方を好きな事を知らなかった

知らないせいもあり洋太はニヤニヤしていた
私は『頑張れ』と思う事しか出来なかった

気にはしていなかったが和義は北村とかなり親密になっていた

『展開が早過ぎる…』
そう思う事しか出来なかった

和義は女性を口説くのに精を出していたが洋太は周りの女性に気配りをしながら話をしていた

ここでも洋太が私達より大人に見えた

私に至っては緊張していて何も出来ずにただメロンソーダを飲んで電話口で若菜に説教じみた事を言われている始末である

気がつけば三時間もカラオケボックスにいた
結局緒方と秋月は戻らなかった

帰る事をお互いの携帯にかけようとしてもまったくつながらない状態であった

仕方なく私達で会計を済ませ外に出ると和義と北村は別にどこかへ行ってしまった

私、洋太、沖田、明日香の四人は途方に暮れかけていた

『どうしよ…』

全員の脳裏に浮かんだ