先生の言うことがきけないの?

谷内 side
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「ちょうだ…『ガッ』」


おもむろに手を振り払われる。


呆然とする俺の視界から消えていく彼女の背中。


キツく俺にぶつかってくる怒りの影に、どこか…淋しげな雰囲気を感じた。


一昨日はバカみたいに笑っていて。


昨日は泣きながら俺に助けを求めてきて。


今日は…怒りをぶつける。



ころころと天気のように変わるあいつの表情。


何を考えているのか、何がしたいのか。


この年頃の女子は、本当にわからない。


昨夜俺の電話を無視したあいつを、俺は今日無意識に避けてしまった。


子どもだな…俺。


それに気付いて、機嫌が悪かったのか?


あぁ、どれだけ考えてもわからない。


わからない。


わからない。


とりあえず後で電話しとくか…


そんなことを考えながら仕事をしていたからか、全くはかどらない。


なんとか仕事を終えて学校を出る頃には、夜空で三日月が俺を見下ろしていた。