「ん…」
気が付いたら、見たことのないところにいた。
ここ…どこ?
うち、どうしたんだっけ。
「あ、お姫様のお目覚めかな~?」
うっざい声が聞こえる。
そうだ、あたし達ナンパされたんだ。
「実花は?!実花はどこ?!無事なの?!」
「あーあのうっぜぇ女?しらねぇ。逃げたんじゃねぇの?お前捨ててな!ぎゃはは!!シンユウの心配より、自分の心配したほうがいいんじゃねぇ?」
うっぜぇのはあんた達よ!
そう言いたいけど、言ったらどうなるかわからない。
実花なら、こんなときもはっきり言うだろうな。
って、そんなこと考えてる場合じゃない。
「実花はそんなことしない!ていうか、ここどこよ」
「ん?俺達のたまり場。イイにおいだろ?」
“イイにおい”なんかじゃない。
タバコと…なんだろう、この甘いような香り。シンナ―?
少なくともいいもんじゃないことくらいわかる。


