いつもの甘い声を耳にして、少し安心したのか、目に何かがこみあげる。
「せんっせ…い…」
『…どうした?』
谷内の心配するような話し方に、ますます涙腺が緩む。
「せんせ…悠莉が、悠莉が…」
でも、そこで正気に戻った。
谷内、今仕事中じゃん。
彼氏と会うとか嘘ついて、あたし約束断ってるじゃん。
ここで、さっきのこと話したら、迷惑かけちゃうよ――
あたし、めちゃくちゃ自分勝手だよ。
でも…
悠莉は、まだあいつらと一緒にいるんだ。
あたしだけ、逃げてきたんだ。
もう…どうしたらいいか、わかんないよ…
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…