「はいはい、ていうか、あれ運んでくれない?」


「( Д) ゜ ゜」


俺が指差した先には、山積みの資料達。


「一回で…?」


「うん」


「やだ…」


小さくつぶやいたその声を、俺は聞き逃さなかった。


「先生の言うことが聞けないの?秘密…ばらしちゃってもいいの?」


「ぜひわたくしに運ばせてください」


「はい、がんばれ~」


よいしょ、と重たい資料達を抱え、出口に向かうこいつ。


「せ、先生」


「なんだぁー?」


「鍵が閉まっているのですが」


「うん。だってさっき俺が閉めたもん」


「開けてぇぇぇぇ――!!」


「がんばれー」


俺は適当に応援する。


無視よりいいだろ?