サクラ

卒業証書を貰うため、卒業生は順番に壇上に上がる。

わたしの順番が回ってきて、立ち上がった。

練習通り、カクカク曲がらないといけない。

来賓の人に見られていると思うと、緊張してきた。


角を曲がる瞬間、自分の足に足を引っかけて転びそうになった。


なんとかステージへの階段を上り、舞台袖に立った。


ふと下を見ると、宏樹と目が合った。

ほんの一瞬。すぐにわたしは、歩かなければならなかったから。


思い返せば、これが最後に見た、宏樹の目だった。