サクラ

わたし達卒業生は、多目的室で合唱の練習をさせられた。

わたしは歌うのは嫌いじゃなかったから、少し笑ってしまった。



多目的室に行くと、今にも涙を流してしまいそうな女子がたくさんいた。


わたしは、遠巻きにそれらを見ていた。

合唱の並び順に並んでいると、横に宏樹がふらっとやってきた。

横から視線を感じるけど、気づかないフリ。


宏樹が隣にいることがたまらなく嬉しくて、口元が緩む。


我慢できなくて、宏樹を見た。

バッチリ目が合った。


その時、わたしと宏樹の最後の時間が、ゆっくりと、しかし確実に動き出した。