わたしは、3年4組の窓から外を眺めていた。

隣には、親友の池ケ谷千紘がいる。

クラスにもう一人、「ちひろ」という名前の子がいるため、みんなからは「いけちー」と呼ばれている。


ここは、空き教室。少子化の影響で、使われなくなった教室だ。


わたしといけちーは、よくここで話している。

昼休みや放課後、毎日をこの教室で過ごしてきた。

いつもは、くだらない話で、バカみたいに爆笑しているのに、今日はなかなかそんな風にはできなかった。


2人とも黙ったまま、下校していく生徒の姿を眺めていた。

湿った沈黙が続いた。