初めて気付いた瞬間

ドアを開けると、そこには聖君が笑顔で立っていた。
手には大きなリンゴを持って。

「昨日実家からリンゴ送られてきて…食べない?。」

首をひょこっとかしげる聖君は小動物みたいだ。

「いいの?もらいます!。」

幸いリンゴが大好きな私はその言葉にうなずくことにした。

「本当に!?よかったぁ!もうこんなにいらないよってくらい送られて来るからさー。」

うなだれるように壁に手をつく聖君に私は笑ってしまう。

「あ、綾ちゃん笑ったでしょ。もー!。」
「ううん、ゴメン。でも私リンゴ大好きだから。今度なんか作ってあげる。」

リンゴならポットパイくらいのお菓子ぐらい作れるとは思う。
個のリンゴのお礼に作ってもいいかもしれない。

「ホント?。やったねー!初めてお母さんに感謝するわ。」

笑いながら私の声をかける。

「じゃぁそろそろ帰るね!。リンゴよろしく!。」
「うん!じゃぁね。おやすみなさい。」

聖君笑って帰って行った。