初めて気付いた瞬間

私は戸惑いが隠せなかった。

そのままベランダに突っ立って、何も考えられないまま空を見上げた。

まさか…そんなはなずはないよ…。

翔さんの優しい真面目な顔が目に浮かぶ。

『その場所、俺じゃだめ?。』

何も言われていないのに。
そんなこと何一つ言われていないのに。

どうして、こんなに期待してしまうの。



…ピンポーン…。

思いふけっていた時、部屋にインターホンが鳴る。
こんな時間に誰だろうと、右足を前に進めた。
しかし、もし翔さんだったら、どんな顔をすればいいんだろう。
その時、
「あーーーやちゃーん!。僕だよー!聖ー!居るー?。」
明るい元気な声が聞こえた。聖君だった。
私はその声に体を撃たれたように歩き出した。
その心の中には、何故かがっかりする自分も居たのだけれど。