初めて気付いた瞬間

「…答えてよ。」

その目はまっすぐ私を見ていた。
まるで逃げられない猫のように動けなくなる。

「しょ…翔さん…?。」

私が名前を呼ぶと、はっとしたように目をそむける。
うろたえたように、その目を泳がせて空に向き直る。

「い、嫌。なんでもない。気にしないで。」

翔さんには似合わない、言葉の詰まった表情。
どうして…そんなことを聞くの?と聞きたくなった。
でも、まずは答えることから始めなきゃと思った私は答えた。

「お付き合いはしてませんよ。」
「そうなんだ…。」

安心したように肩を落とす彼の姿が見えた。
…どうして?。

疑問に思っていたが、次の言葉を聞いて驚きが増した。

「いやさ、一緒に帰ってきたから、吃驚して。」
「え!?。」

みられてた!?
いや、結構注意はしてたんだけどな!!
聖君もマンションの中ではトップクラスに近いイケメンだから、知らないだろうがみんな狙ってるんだ…という噂…。
オーナーから聞いた極秘の情報…らしい。
だから問題を避けるためにも周りには注意していたんだけど…いったいどこから…?