「この部屋…無くなる!?。」
大家さんの言葉に吃驚しすぎて腰を抜かしそうになるのを必死に耐えて話を聞く。
『…そうなのよ…ちょっとした事情があってね…。綾ちゃん引っ越し先あるかしら。』
大家さんとは夕食やお料理のお話を聞いたりと仲良くさせて居てもらったためか、心配の声が漏れる。
「…思いつくところはないですね…仕事もありますし…。」
『…綾ちゃんの職場ってS社よね?。』
大家さんがふと思いついたように言う。
「はい…。そうですけど…。」
『S社の近くなら、知り合いがアパート持ってるわよ。』
思わぬ展開!
「本当ですか!?」
『…ちょっと待ってて、連絡入れてみるから。家に居てくれる?そう時間はかからないから。』
「はい!。」
機械的なピッという音とともに通話は切れた。
まさかこんないきなりな出来事があるとは思っていなかったからか少し驚きが隠せない。
私は少しだけそわそわしながら、大家さんの電話を待った。
