初めて気付いた瞬間

確かにあの日、私はすべてを信じなくなった。
その一年後には父母が居なくなって姉とは散り散りになった。
だからもうあの人と何かを比べられることはない。
楓という存在がいるし、今私は一人でもやっていける。

あの人比べる必要はないのに。
でも、一歩踏み出すのが怖い。

いつかみたいにまた…。

そんなことを思うと仕事にすら手がつかなっていく自分がひどくやつれて見えた。
集中しなくちゃ。
そういい加減な決意をパソコンに向ける。

これ以上、誰かに利用されるのはゴメンだから。」





「…お疲れさまでした。」

やっと終わった仕事に一息つく。
今日の仕事はいつもと変わらない書類整理だったはずなのに、肩が重い。
お昼に変な考え事をしてしまったからだろう。
もう思いださないと、あれほど誓ったのに。
弱いな。私は。

「…綾?。」
「え?。」

隣で肩をたたく楓を見て、もう室内には疎らの人しかな残っていないことに気がついた。