…いつの間にか私眠っていた。
何をしたでも無いのに、そのままの格好でベットに眠っていた。
彼の姿は…ない。
帰ってしまったのだろうか。
良く耳を澄ませば下の階から物音がする。
もしかして眠ってしまった私に呆れて帰ってしまったのだろうか。
多分そうだろうな。きっと。
下の階には姉がいるのだろう。
姉にはきっと叱咤されるに違いない。
『アンタ!彼氏差し置いて寝るとはどういうこと!?』
って。
まだ眠りかけの目をこすってリビングへと降りる。
その扉へ、手をかけようとした時だった。
「…やっ…だめ…。」
嘘みたいな声が広がった。
「…もういいでしょ…。なぁ南。俺、ずっとあんただけ見てたんだ。」
聞きなれたぶっきらぼうな声。
私の体に鳥肌が立っていく。忘れたい現実に耳をふさぎたくさる。
なのに体は動かない。
「…貴方は、今綾と付き合ってるんでしょ…!!。」
「最初はそうだった…でも…俺は…南を忘れられなくて…。」
「関係ないわよ!私はあなたのことなんか知らないんだもの…。」
「知らないってわかってたから、だから綾に近づいたんだろ…。アンタのために。」
聞きたくない。聞きたくない。
もうやめてほしい。もうやめて。
