初めて気付いた瞬間

…入った場所で適当に二人ともドリンクバーを頼んで座った。
大きなレジ袋を提げた私見て、香奈さんが「買い物の途中だったの？。」と声をかけて来てくれた。
「終わったところですから。」と声をかけると、苦笑しながら「よかった。」と言ってくれた。

香奈さんが持ってきたのは温かいコーヒー。
私はココアを。

二人が椅子に腰をおろして一息つくと、香奈さんが口を開いた。

「…こんなこと、引っ越してきたばかりの貴女に話すのは酷だと思うし、失礼だとも思うんだけど。」
「いいえ、私が引き受けたんです。お気になさらないで。」

私がそう言葉を続けると、彼女は心底うれしそうに笑ってくれた。

「…私、付き合っていたの。樹と。」

やっぱり。そうだったのか。
…ん？…過去形？。

「…そうよ。今は付き合ってない。」

私の顔を見て、大体の考えは予想がついたのだろう。
苦笑しながら私に今の現状を教えてくれた。

「もともと、付き合っていたのは半年も前なの。」
「えっ…？。」

半年も前…??。