「ありがとうございましたー!!。」
大きな声でお兄さんが声をかけてきた。
袋を持ってレジの横をすり抜ける。
家から案外近い場所にスーパーはあった。
道がわからず何度も迷いそうになったが。
うす暗くなり始めた道を帰ると見覚えのある茶髪の髪の毛が目に入った。
公園のベンチですすり泣く声が、怖いほど耳に刺さる。
私は近寄って声をかけざるを得ない。
「…香奈さんですか…?。」
「…貴女は…あ、綾さん?。」
「はい。」
涙目になった目を必死に擦って私に笑顔を向けてくれる。
とてもきれいで、かわいらしい人だ。
「みっともないとこ見せちゃったね。」
「いいえ、女なら当然です。何かあったんですか…って、私は他人ですから、無理に話さなくてもいいんですけど…。」
ついつい悪い癖が出る。
何でもかんでも助けたくなるお節介な性格は小さいころかららしい。
もう、何が何でも戻らないのかと若干ため息が出る。
そんな様子の私に香奈さんは笑って言った。
「そんなことないわよ。ありがとう。もしよかったらお付き合い願える??。」
「私でよければ、喜んで。」
私達はそこから一番近いファミレスへと足を運んだ。
