久しぶりに見た伯父の家に入ると、古い家の匂いがして落ちつく。
この安心を貰ったのは久しぶりだった。

「綾ちゃん。今日帰るんだろ?。」
「はい…ホントはもっといたいんですけど、明日も仕事なので…。」

私が曖昧に答える。
確かに明日仕事が入っているのは確かだ。
しかも今日は私しかできない肥料の調合だけのために来たんだし…。
別に泊まっていけないことも無かったが、とくに理由は無かったので帰ることにした。

「綾ちゃん、気をつけてな??。」

最寄りの駅まで送ってくれた伯父は心配そうに私を見る。

「大丈夫ですよ。もう慣れてますから。」
「そういうんじゃない。君はもううちの娘だって思ってるんだから。」
「…伯父さん…。」

頭に手を載せて私に言う。
いつも、伯父さんは私が不安そうな顔をすると優しく撫でてくれる。
その優しさに、私は何度も救われた。

「いつでも頼って来るんだぞ?。間違っても遠慮なんかするんじゃないからな。」
「…はい。」

そういって電車に乗り込んだ。
流れる景色が、いつかのような情景を運んでくる。