「んで、改めて君の名前は??。」
聖君が笑顔で私に話しかける。
私はみんなに見つめられてちょっと恥ずかしいとは思ったが
「藤崎綾です…年は20。みなさんも知っての通り、最近引っ越してきて…わからないことばかりですけど。よろしくお願いします。」
ぱちぱちと一人だけ聖君が拍手をする。
「まさか、俺と同い年だとはねっ!。」
「聖は五月蠅い。お前が実年齢よりも5歳くらい幼いのは前からだろ。」
「し、翔!?それはひどいってば!。」
笑顔が飛び交う中、宴会は始まった。
「あ!。それ俺の酒!。」
「関係ないだろ。別にそこらへんの飲めばいいじゃねーか。」
聖くんと翔さんがいいあいを続ける中、樹さんがせっせと鍋から具を取り出してわける。
その樹さんを手伝うように私も鍋をつつくと、樹さんが笑った。
「五月蠅いだろ?。」
「へ?。」
返答に困っている私を見て樹さんは苦笑した。
「別に、この声はいつもだから、怖がらなくていい。それとこいつらも。いつも五月蠅い。」
「「五月蠅いは余計だ!!!!。」」
二人の声が重なって響く。
その状況が面白くて少しだけ笑ってしまった。
「「「…。」」」
そんな私を見て三人が固まっていて私は目を見張る。
「な、なんか…しました…?。」
「…笑った。」
呟くように聖くんが言うと、となりで樹さんがため息をついていた。
