「まず俺から!。」

そういって手を挙げたのは目の前に居た男の子。

「俺の名前は斎藤聖。聖ってかいて「ひじり」って読むからよろしく!年は20歳。君の隣の家に住んでるよ。」

よろしく、とそういって右手を差し出す。
そこには満面の笑みがあり、少しだけ可愛いと思ってしまう。

「よろしくお願いします…。」

おずおずと右手を差し出すと、彼は握り返して言った。

「俺のことは聖でいいから!!よろしくね。」

笑顔でそう答える。
人懐っこい人だなぁ…。

「…俺は大蔵翔。年は22。お前の左隣。聖の反対側。よろしく。」

彼はそういって鍋に手を戻す。
黒髪の短髪が妙に大人っぽい。まぁ、年上だしそう思うのも仕方ないのかもしれないが。

「…俺は早瀬樹。樹木の樹。22。君の真向かい。」

よろしくとも、無言とも言わない彼の態度はこの三人の中で一番落ち着きをみせている気がした。
お兄さんって感じなのかな…?。

私のことはお構いなしに自己紹介が進む中、聖くんが「はい!。」と手を指してきたので私も自己紹介することにした。