その日はあいにくの大雨 梅雨まっしぐらな大雨日和だった あの頃はまだ… 授業も終わり最終予鈴も鳴り終わり 放送が僕らに「帰れ」とせかす ボクは自分の傘を手に取り開き今一歩踏み出さんとするとき 「ねぇ、その傘を俺様に譲りたいだろ?」 突然聞こえた声 耳に残る心地いいハスキーボイス 横目で声のするほうを見る