「レイナ、ありがとう。もう帰っていいよ?」



聖夜さんはレイナさんの顔を見ることなく、パソコンの電源を入れながらそう言った。



「何、それ?アキのお願い聞いてあげたんだから、ご飯くらいご馳走してよね!」


「また今度ね」



そう言った聖夜さんは、レイナさんの方を見ようとしなかった。



「もぉ!わかりました!帰りますよーだっ!」



レイナさんはそう言ってホッペを膨らませた。



「雪乃ちゃん、またね」



カバンを持って立ち上がったレイナさんは、私にそう言って笑顔を見せた。


私は何も言えずコクンと頷いた。



「今度、絶対にご馳走してもらうからね!」



レイナはそう言って部屋を出て言った。


聖夜さんはレイナさんに言葉をかけることなく、パソコンの画面を見たままだった。